Session:1 柴咲コウとサステイナビリティ

サステイナブルな社会やモビリティの未来はどこへむかうべきなのか──。
Audi e-tronサポーター柴咲コウさんのスペシャルインタビューを全3回にわたってお届け。
環境特別広報大使を務めるほか、自身でも「サステイナブルで優しい服」をテーマにした
ファッションブランドをプロデュースする彼女に、豊かな社会とこれからの生き方、暮らし方、
人と自然が共生する理想の未来についてお話を伺いました。

美しく健康的な未来へ
いま、やれることを

柴咲さん:サステイナビリティをいつ意識したのか、振り返るとまだ子どもだった頃の気がします。生まれも育ちも東京ですが、小学生時代の夏休みは静岡の知人宅でホームステイのように暮らしていました。そこには海や山、小川など手付かずの自然があり、そのなかで過ごしていると「気持ちいいな」「心地いいな」と子どもながらに感じていました。
ところがその豊かな自然も、20年、30年経つと工場ができたり、排水で小川が無くなってしまったり、大きく変わってしまっていて。人間が本能的に「心地いい」と思える場所を、私たちの経済活動や暮らし方によって、生きづらくさせているのかも、と感じたんですね。
“生きづらい”ということは、サステイナブルではないということ。美しい自然を守り、健康で持続可能な未来を実現するためには、環境問題を他人事ではなく“自分ごと”と感じ、いまできることは何か、と考えるようになりました。

自然のサイクルを守る
「出口」あるモノづくり

柴咲さん:2018年に立ち上げたアパレルブランド「ミ ヴァコンス(MES VACANCES)」では、地球の循環や生態系に負荷をかけないモノづくりを目指しています。“循環”を意識するようになったのは、10代後半に身近な家族との別れを経験したことがきっかけです。「人、生き物はいずれ土に還る」という自然のサイクルのなかで私たちは生きていることに気づいた一方で、「私たちの生き方は、ちゃんとそのサイクルに則っているのか」という問いかけが、心に残りました。
生きるという「入口」は認識していても“死”という「出口」はついつい忘れがちなように、衣食住のなかで取り入れるさまざまなモノやコトにおいても、それらが「出口」に向かってどのように消費されていくのかは、置き去りにされてきたように感じます。自然のサイクル、循環を守るためには、モノやコトを提供する側も、それらを受け入れる側も「出口」を意識した選択が必要だと感じています。

いま見ている風景のため
大切にしたいこと

柴咲さん:私たちの経済活動や暮らし方による環境への影響は、長ければ何十万年というスパンで表面化するものもあるため、“自分ごと”として実感しづらいかもしれません。でも、私が大好きだった静岡の風景が変わってしまったように、いまある豊かな自然の風景も永遠に続く当たり前のものではありません。
現在、北海道と東京を行き来する生活をしていますが、北海道にはまだまだ手付かずの自然がある一方、東京には自然との共生を目指し、人が手を加えた植物園など美しい自然を感じられる場所もあります。
あるがままの姿を守ること、地球の循環や生態系を壊さないように発展させながら守ること、そのどちらも両立させることが、いま私たちが見ている「心地いい」と感じられる風景や場所を残していくことにつながるのではないかと思っています。

私たちの“選択”が
持続可能な社会をつくる

柴咲さん:「いまの暮らし方のままでは、大切な風景が失われてしまう」「温暖化や気候変動で、より生きづらい環境になってしまう」「でも、充実したライフスタイルも大切にしたい」。こうした私たちの矛盾する気持ちを解決してくれる社会は、新しい技術や仕組みによって、これからさらに進んでいくと思います。
たとえばAudiの電気自動車e-tronは、クルマとしてのワクワク感や走る楽しさがありながら、革新的な技術によって、環境に配慮した「出口」のあるモノづくりを実現しています。私たちに必要なのは、こうしたモノやコトをただ受け入れるのではなく、自分が本当に大切なものは何かをきちんと考えたうえで、それに見合った選択をすること。そうすることで、サステイナビリティな暮らしや社会のために「いま何をすればいいのか」が自ずと分かるようになる気がします。一人ひとりがそんな意識を持って暮らしていけると、未来がよりよい方向に変わっていくのかな、と感じています。

Session 2

Session 3

柴咲コウ

女優・アーティスト・レトロワグラース代表。
2017年NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」では主演を務める。

2016年持続可能な社会を作るためにレトロワグラースを設立。
2018年環境省より「環境特別広報大使」に任命される。
2019年9月には初のエッセイ『LIFE THE KO 生きるを活かす9のこと』、写真集『THE KO 柴咲コウ photo book』を同時出版し、自らのライフスタイルを発信した。
2020年度前期放送のNHK連続テレビ小説『エール』にて、世界的に活躍するオペラ歌手・双浦環、同年10月より放送された日本テレビ『35歳の少女』では、心は10歳、体は35歳の主人公・時岡望美を演じた。
2021年5月27日(木)より公開中のディズニー実写映画『クルエラ』日本版にて、主人公クルエラ役で初の実写声優を務める。

photos by Fumitaka Ohnuki
text by Emi Arita