#FutureIsAnAttitude

#design

“スポーティーさと洗練された姿の
完璧な組み合わせ”

ノウハウと情熱が生み出したAudi Q4 e-tron
特徴的なカラーと素材のパレット。
カラー&トリム部門で働くAudi Q4 e-tronのエキスパートたちに、
今回の車の魅力について取材しました。

2021 / 06 / 02 Text: Nadine Kaminski - Photo: Fritz Beck Reading Time : 8 min

アウディのカラー&トリムの責任者を務めるシモナ・ファルシネラ。インゴルシュタットにあるアウディデザインセンターの固く閉ざされたドアの向こうで彼女は私たちを出迎えてくれました。「“クリエイティビティ”とは直感やひらめきのスナップショットだと多くの人は考えます。」現在進行中のアイデアについて質問したところ、彼女はまずこう答えました。「“クリエイティビティ”をベースとする仕事にはある種の“創造的リジリエンス”が必要です。それは直感的な創造力と経験、そして能力の組み合わせで、それによりプロフェッショナリズムが生まれるのです。クリエイティビティは私たちにとって、日々の習慣であり、継続的な行いなのです。」

経験豊富なチーム(左から):アニカ・デ・ボーア、クリスティーナ・ヴィットマン、ティジアナ・マウリとデザイン責任者のシモナ・ファルシネラが塗装と材質の組み合わせについて議論している。

アウディカラー&トリムチームの舞台裏

同席したデザイナーのアニカ・デ・ボーアはこう付け加えます。「私たちのチームのどこが特別なのかと言うと…」その答えはいくつもあるかのように、彼女はしばらく考えてからこう話しました。「私たちはそれぞれ違う個性を持っていますが、使用しているデザイン言語が皆共通なのです。」彼女の言葉にシモナ・ファルシネラが頷きます。「その通りです。私たちは皆、アウディに対してある特定の共通のイメージや、ブランドのアイデンティティを継続的に飛躍させるアイデアを持っているのです。」

2人に案内されて私たちが向かったのはショールームの向こうにあるオフィスでした。インテリア素材で埋め尽くされた棚が並ぶその部屋こそが、カラー&トリム部門の中枢です。そこでもう2名のチームメンバー、ティジアナ・マウリとクリスティーナ・ヴィットマンが私たちを出迎えてくれました。この4名のエキスパートたちはAudi Q4 e-tronの素材やカラーの開発に携わったメンバーです。今回の取材では彼女たちがAudi e-tronの魅力について語り、時代の最先端をいく革新的な技術で私たちを驚かせてくれました。

Audi Q4 e-tronのような大きなプロジェクトでは、どのように創造力の扉が開くのでしょうか?「まず、デザイン・技術や社会のトレンドを網羅した幅広いリサーチを行い、それを元に直感的なコンセプト考えます。次にそのアイデアにフィルターをかけ、アウディにふさわしいイメージへと変換していくのです。」カラー&トリムのプロジェクトシリーズの責任者であるティジアナ・マウリが答えます。「チームのメンバーはプロジェクトの初期のコンセプトから最終的な開発段階まで全てのプロセスに携わります。私たちは皆、デザイナーであり、材料のスペシャリストです。ミクロのレベルからマクロのレベルまで、全体に渡って貢献しているのです。」

最適な色味を探し当てるため、いくつのも試作品を塗装して比較を繰り返した。
工業デザイナーのクリスティーナ・ヴィットマンはカラー&トリム部門内でプロジェクトのコーディネーターを務めている。

クリエイティブなプロセスと完成への道

最初のステップはモデルのイメージとメッセージ性に一致したカラーや素材のコンセプトを構築することです。このステップでは、デザイナーたちはムードボードの作成やトレンドのリサーチ結果を元に、様々なアイデアや直感的なイメージをビジュアル化していきます。

その後、コンセプトを元に具体的なサンプルの作成に移ります。サンプルはアウディデザインセンター内にある塗装部門やトリムの試作場、また外部の取引先などによって作成されます。そのプロセスについてクリスティーナ・ヴィットマンは次のように説明しました。「完璧な色味を探し当てるために、塗装部門に初期段階のカラーデータを渡して、まずは試作品を作成してもらうのです。」中でも、特徴的な3D形状のマッドガードはダイナミックに光を反射するため、色味を判断するための試作品に適していると言います。試作品の作成で色を見極めるため、実際にボディを塗装する頃には思った通りの仕上がりになっているとメンバーたちが口を揃えて言います。Audi Q4 e-tronの新色であるパープルを開発した際には、様々な塗装サンプルが比較され、微妙な調整が施されました。青系の顔料を追加し、メタリックの粒子量を調整して、赤系の顔料も追加…など、最終的にチーム全員が「これだ!」と合意するまで、試行錯誤を繰り返したのです。

完璧な色味を探し求めて、様々な色の試作品を作成します。

クリスティーナ・ヴィットマン(Christina Wittmann)

このような試行錯誤のプロセスが行われるのはカラー&トリム部門に限ったことではありません。様々な部門がそれぞれの役目を果たして協力し合うことによって開発が進んでいくのです。Audi Q4 e-tronの開発はフィニッシュラインへと到達しましたが、カラー&トリムのプロセスが始まったのはかなり前に遡ります。インテリアとエクステリアのデザインが進んでいくにつれて、カラー&トリムのデザイナーたちはより正確なカラーと素材のパレットを確立させていきます。そのパレットをベースに、エクステリアとインテリアに共通のトーンが与えられ、調和のとれたデザインが出来上がっていくのです。

適切な素材とカラーが決まったら、チームは技術部門、品質部門、マーケティング部門や戦略のエキスパートたちと共に各素材を市場に出す準備に取りかかります。「このとき大切なのは、目標とするビジョンを維持しながら、自分たちのアイデアと他部門のアイデアを融合させ、更に他の事業部門の要件や要望をできる限り取り入れていくことです。」プロジェクトマネージャーのクリスティーナ・ヴィットマンはそう語ります。全てのアイデアは採用する前にその妥当性を調査していると言います。このように、各部門の相乗効果によって開発が進んでいくのです。

アニカ・デ・ボーアはデザイン・アカデミー・アイントホーフェンにて「人とモビリティー」についての研究に携わった。
創造プロセスの過程で、カラー&トリムのデザイナーたちは正確なカラーと素材のパレットを生み出す。

Audi Q4 e-tronが生み出す新たな刺激

アニカ・デ・ボーアが私たちに差し出した小さな部品。それは彼女が2年間かけて開発し、大きな進化を遂げたステアリングホイールのアウディリングでした。「時間をかけて様々なレベルのグロス・カラー・質感を試した結果、ようやく形になりました。達成感を感じています。」

グロス・カラー・質感へのこだわり。インテリアに搭載する新しいアウディリングの開発にアニカ・デ・ボーアは2年の月日を費やした。

テーブルの上に並べられていたのは木目調の模様が施された極薄の素材。「これは新しいプレミア素材のテクニカルべニアで「ライム・セディメント・グレーイッシュ・ブラウン・ナチュラル」と呼ばれています。」アニカ・デ・ボーアが説明します。「触感と3D効果に力を入れて開発しました。触ってみると本物の木のような質感を味わえます。」

彼女たちが見せてくれたのは今回のモデルに採用されたプレミア素材のサンプルの数々。クリスティーナ・ヴィットマンとティジアナ・マウリが手にした十数枚の細長いダッシュボードの部品は、まるでおもちゃの剣のようでした。

次にティジアナが紹介してくれたのはもう一つの新素材である「アルミニウム・コンバージェンス・アンスラサイト」。「適用した部位が車になったときに大きく目立ち過ぎないようにするため、デザインを2つに分けているのです。2種類の異なる模様を用いて、部品の形状に沿った質感を実現しています。

「ライム・セディメント・グレーイッシュ・ブラウン・ナチュラル」はチームが誇りを持って提供するAudi Q4 e-tronの新たなプレミア素材だ。
ミラノ工科大学で工業デザインを学んだティジアナ・マウリは、カラー&トリムのプレジェクトシリーズの責任者を務めている。

3D効果と自然な触感に力を入れました。

アニカ・デ・ボーア(Annika de Boer)

「私たちは常に密に連携しています。」アニカ・デ・ボア(右)が語る。しかし、チームを一つにしているのはそれだけではない。メンバーたちはそれぞれ、アウディに対しての共通のイメージと、改革のアイデアを持っているのだ。

シモナ・ファルシネラが次に広げたのは一枚の大きな布。この布こそが最も革新的なインテリア素材だと説明し、私たちに触感を体験して欲しいと差し出しました。黒に近いしっかりとした布はスポーティーでありながらきらめきを放ち、純粋且つ高級感を兼ね備えた未来のオートクチュールを連想させます。「私たちはこの素材を『Technikgewebe(テクニックウィーブ)』と呼んでいます。」とファルシネラが語ります。「実はこの素材は、廃棄された布とペットボトルでできた布なのです。」

アウディデザインのカラー&トリムの責任者であるシモナ・ファルシネラはミラノで学んだ経験を持つ。自動車業界に入る前はファッションデザインを手掛けていた。
細かい工夫が直感的な美学を感じさせる。外装と内装が完璧に調和してデザインを仕上げていく。

注目のトピックは「サステナビリティ」

今回、Audi Q4 e-tronのプロジェクトチームが細部にまでこだわって情熱的に取り組んだのが「サステナビリティ」の導入です。例えば、カーペットやリヤシェルフには部分的にリサイクル材が適用されています。今回の取材では「カーペット」についてより詳しく説明するため、デザイナーたちが特別にアンダーボディカバーの素材を用意してくれました。カーペットの素材がどのような構造になっているのかは完成車を見ても分かりません。カーペットで重要なのは、その内側に隠されている層だと言います。 「カーペットの裏地は繊維工場で廃棄された羊毛や綿などの素材や処分されたジーンズなどの生地を使っています。」アニカが説明します。「表面の柔らかい素材にはリサイクルされたペットボトルやプラスチックなどが使われているのですよ。」

カラー&トリムのアトリエに置いてあるリサイクル繊維の塊。この素材が新しい布へと生まれ変わるのだ。
Audi Q4 e-tronのインテリアには、布の切れ端・ペットボトル・プラスチックなどのリサイクル素材が至るところに採用されている。

カラーと勇気

今回の取材を通して私たちは様々な触感や視覚を体験することができました。別れを惜しみつつ最後にチームに聞いたのは、「今回のAudi Q4 e-tronでチームが一番気に入っているカラーは何色か」という質問です。すると全員がオプションの「オーロラバイオレット」に思い入れがあると答えました。シモナ・ファルシネラはチームの研究結果に基づいて次のように説明します。「パープルは文化的に“高級感”を、また心理的には“変革”を連想させる色です。変化の時代を迎えた今、アウディは大胆な色でチャレンジに臨もうとしているのです。またこの色はAudi Q4 e-tronのキャラクターにぴったりです。スポーティーなルックスと洗練されたイメージが完璧に融合されています。」

パープルは文化的に“高級感”を、また心理的には“変革”を連想させる色です。

シモナ・ファルシネラ(Simona Falcinella)

完璧なカラーに仕上げるため、複数の調整を施した「オーロラバイオレット」。パレットに塗られたそれぞれの色が車のキャラクターを最大限に引き出している。

EVをもっと身近に、
もっと自由に解き放つ
Audi Q4 e-tron

クルマ・社会・地球環境の調和を追求し、サステイナブルな未来を切り拓く、Audiの電気自動車。そのラインアップに待望のプレミアムコンパクトSUV、Audi Q4 e-tronが誕生します。このクルマと暮らし始めれば、きっと新しい輝きに満ちた世界が広がります。

詳しく見る
Digitalization
2021/02/09

Electrifying sound

Performance
2021/07/23

“《極限》が私たちにもたらすもの”